ARR (年次経常収益)
サブスクリプションビジネスの「年収」
ARRとは? MRRとの違い
ARR(Annual Recurring Revenue)とは、「年次経常収益」のことで、毎年決まって入ってくる売上の合計額を指します。
簡単に言えば、サブスクリプション型ビジネスにおける「企業の年収」です。
似た指標にMRR(月次経常収益)がありますが、これは「月収」にあたります。
一般的に、日々の運営管理にはMRRを使い、長期的な成長戦略や投資家への説明にはARRを使うことが多いです。
⚠️ 注意: ARRには「初期費用」や「単発のコンサルティング料」などの一時的な売上は含めません。あくまで「継続(Recurring)する収益」のみを計算します。
計算式と注意点
ARRの計算は非常にシンプルです。現在のMRRを12倍するだけです。
ARR = MRR × 12
計算例
あるSaaS企業の当月のMRRが500万円だった場合、
500万円 × 12ヶ月 = 6,000万円(ARR)
※「過去1年間の売上合計」ではなく、「現在の収益力が1年続いた場合の予測値」として扱われます。
なぜMRRではなくARRを見るのか
なぜわざわざ12倍してARRを算出するのでしょうか?主な理由は3つあります。
- 企業規模の比較がしやすい
一般的な企業の売上高は「年商」で語られます。SaaS企業もそれに合わせて年換算することで、他業種や競合と比較しやすくなります。 - BtoB契約の実情に合う
企業向けSaaS(Enterprise向け)では「年間契約」が主流です。月単位の変動よりも、年単位の契約総額で管理するほうが実態に即しています。 - バリュエーション(企業価値)の算定
投資家がSaaS企業の価値を測る際、「ARRの何倍か(ARRマルチプル)」という指標がよく使われます。
ARR 1億円の壁(T2D3)
SaaSスタートアップの世界には「T2D3」という有名な成長モデルがあります。
ARR 1億円(約100万ドル)を達成した後、
Triple(3倍)→ Triple(3倍)→ Double(2倍)→ Double(2倍)→ Double(2倍)
のペースで5年間成長し、ARR 100億円を目指すというものです。
まずは「ARR 1億円」が、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成したかどうかの最初のマイルストーンとなります。